スティーブン・キング原作「ミスト」を見ました。

シネマ8のチケットスティーブン・キングの短編ホラー小説を原作とした「ミスト」をイオンシネマワンダーでシネマクラブ会員の更新でもらった招待券で見ました。非常によくできた映画で一見の価値あり。賛否両論のラストも映画的にはこれでよしか。
★★★★
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KUROの感想は

ある日、映画館でポスターを眺めていたら「ミスト」「スティーヴン・キング」の文字を発見。「キング?ミスト?・・・霧!」。

映画「キャリー」ですっかりスティーヴン・キングのファンになった私。原作「霧」は「闇の展覧会1 霧 (ハヤカワ文庫NV) (文庫)」で読んだのですが、沢山読んだキングの作品の中でも特にお気に入りの作品のひとつ。だから、「霧」が映画になるのだとわかって、ぜーったいに見たい!と思っていたのですが、若干、怖いモノ苦手な夫の腰がひけてる感もあり、ひょっとしたら見ること出来ないかもと思っておりました。けど、「見たい、見たい」って言う私の言葉に促されて、やっと見たのがこの週末。

お気に入りの小説だけに、どういう描かれ方をしてるのか、更に、キングのホラー系映画は失敗作が多いので、いろいろ不安もあったのですが、この「ミスト」は人間ドラマとして非常に秀逸な作品に仕上がったと思います。

スーパーマーケットという限られた空間に閉じこめられた人々が、今まで経験をしたこともない恐怖にさらされていくうちに、どんどん心理的に追い込まれ、常軌を逸した行動さえも判断出来ないほど朦朧とした精神状態に陥っていく過程の描き方は非常によく作られている。構成もカメラワークも素晴らしいと私は思いました。

主人公は理性的であり行動力もある優れた人物です。彼のこのスタンスは終始一貫していて揺るがない。その彼に対比する形で描かれるのが、この世の終焉を聖書片手に声高に叫ぶ中年女ということになりますが、じゃあ、この女の言うことが、全く違っているのかというとそうでもない。苛立つ人物に対しても完全否定しない描き方をしている点でも、この映画は評価出来ると思っています。

ちなみにキングの作品は全般的に、最初の3分の1はくどいほどの土台作りがだらだら続き、残り3分の2は途中でやめられないほどスピーディーでわくわくする展開になっていくという、まるでジェットコースターのような構成がほとんどで、この「霧」も小説では霧が訪れるまでにもっと長いイントロダクションがあったのはずという記憶なのですが、いかんせん、読んだのが、たぶん、1982年と20年以上前なので、今ひとつ自信がありません。流石に買い直す気もないので、本屋で立ち読みで確認かも。

好き度90点。

ミスト – goo 映画

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